信頼できる医師の選び方

sinarai
うつ病の治療は長期に渡ることがほとんどです。
しかも、心がデリケートになっているため、医師との相性や信頼関係はとても重要です。

精神科の医師は、うつ病を脳の問題と捉えるタイプと、心の問題と捉えるタイプに分かれます。
薬での治療を望む場合は前者、じっくり話を聞いてもらいたいと望む場合は後者との相性が良いと考えられます。

医師を選ぶ際は、次の点に注意しましょう。

まずは治療に対しての説明をきちんと行い、質問に対して明確な答えを出してくれるか、という点です。
また、症状を適切に捉えてくれて、気持ちを理解してくれることも重要なポイントになります。

次に、多くの患者さんに信頼されているかという点です。
病院内がある程度混雑していれば、信頼している患者さんが多いと言えるでしょう。
また、専門医が取得している資格は、医師の経験や知識を推し量る目安ともなりますので、ホームページ等で確認してみるといいかもしれません。

そして、治療が長期化する可能性があることを考えると、通院の利便性も重視しましょう。

質問用紙による診断と診察時の心理検査

自分がうつ病ではないかと疑って専門科を受診した場合にまず行われるのが、質問紙による診断です。
アメリカ精神医学会のDSM診断基準を利用した質問内容を用紙にまとめ、患者自信に「はい」「いいえ」で答えを記入してもらうものです。
この結果を判断基準にしてうつ病であるかどうかを診断していきます。

この質問紙とは別に補助的な検査として行われるのが心理検査です。
心理検査はいくつかの種類がありますが、一般的なものがミネソタ多面人格テスト(MMIP)です。
550問の質問に対して、「はい」「いいえ」「どちらでもない」を答える質問紙方式の人格テストです。
うつ病なのか、それとも他の精神疾患なのか、はっきりさせるために行われるテストであり、明らかにうつ病だと診断された場合は行われません。
これら質問紙を使うと、患者さんの症状を聞く時間が短縮されて効率がよいと推奨する医師もいますが、医師と患者が面談し、話を聞きながら病気の診断を下すのが本来のやり方だという考えの医師も多いようです。

重症度により治療プランが異なる

ututiryou
うつ病は、症状の度合いによって治療方法が異なります。
たとえば、仕事や学校など日常生活にそれほど影響を及ぼさない場合は、軽症と診断されます。
その場合、心のエネルギーを補給する治療として、休養や生活のリズムを改善させることから始めます。

うつ病の場合、薬物による治療が一般的ですが、軽症の場合は、薬を使用せず心身を休めることで回復することも少なくありません
日常生活に支障をきたす中等度や重症の場合は、薬物を用いた治療を行います。
まずは、少量の抗うつ薬を服用し、徐々に十分な量に増量していきます。
一か月間服用して、その効果の有無を判断し、また副作用も確認しながら患者さんに合った薬を見極めていきます。

その他、医師や臨床心理士などともに、心の問題に向きあい、解決する糸口を見つける精神療法を行っていきます。
再発予防にも効果のある治療法です。

特に症状が強い場合や自殺の危険性が高い場合は、休養と治療に専念させるため、入院しての治療を行うこともあります

精神科の入院制度

nyuin
うつ病の治療は、基本的には通院で行われますが、症状の度合いによっては入院治療が必要な場合もあります。
しかし入院に抵抗があったり、本人に病気の意識のない患者さんが多いのも事実です。
妄想の症状がある患者さんから入院の同意を得ることが難しい場合もあります。
そういった患者さんのためにも、精神保健指定医の判断のもと、本人の同意がなく入院が可能な入院制度があります
どれも緊急を要する場合に利用される制度です。

まずは、家族の同意のもと入院する医療保護入院です。
院が必要なほど重症であるにもかかわらず、入院を拒む場合に適用されます。

次に自分や他人を傷つけたり、犯罪の恐れがあるなど、危険性が高い場合に適用されるのが措置入院です。
これは行政が入院を命令する強制力の強い制度ですので、適用される条件が厳しく、うつ病患者さんに適用されることは稀です。

そして、本人や家族の同意が得られない場合の入院が応急入院です。
これは患者さんに意識障害などが現れ、早急に入院治療が必要な場合に適用されます。

うつ病治療や生活への支援制度

うつ病の治療は短期間が終わるものではありません。
十分な休養が必要なため、長期に渡ります。
このため、経済的なことや、復帰後の仕事の事など、不安になることも少なくありません。
そういった人の為の支援機関やサービスがあることを御存知でしょうか。

高額療養費制度は、かかった医療費が高額になった場合、所得に応じた自己負担限度額を上回った金額について、加入している医療保険から後日支払われる制度です。

自律支援医療では、精神疾患により通院による治療を続ける必要がある人対象の制度です。
公的医療保険で3割の医療費を負担しているところを1割に軽減されるなどの支援を行います。

精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者の獣医率と社会参加の促進を図るために交付される手帳で、持っている人は、公共料金の割引や税金の控除免除などが受けられます。

また生活費の保障として生活保護や障害年金などがあります。

生活保護は、病気や怪我などで経済的に困窮した時に、最低限の生活を保障し、自立を助けるための制度です。

障害年金は、病気や怪我が原因で障害が継続する場合、生活を保障する為の制度です。

このようにさまざまな制度がありますので、各相談窓口に問い合わせてみましょう。

うつの自然治癒は難しい

sizentiyu
うつ病は心の風邪だという表現があるため、風邪と同様放っておいてもそのうちに治ると軽く考えている人も多いようです。
とくに症状が軽いときは、我慢すればいつかは治ると思って放置する人もいますが、うつ病は風邪のように数日たてば自然に治っていくなんてことはありません

うつ病は脳内の神経伝達物質のバランスが低下していることで、脳の神経細胞にダメージが出ている病気なのです。
脳に障害が出ている状態ですので、簡単に自然が望めるような病気ではありません。
自然治癒の可能性がゼロというわけではありませんが、確立としてはかなり低いため、適切な治療を受けることが必要になります。
そうすれば回復する可能性が大幅に高まります。

しかし、うつ病は進行性のある病気ですので放置していると重症化する恐れがあります。
働けなくなったり、障害が残ったり、最悪の場合は自殺にまでいたってしまうほどリスクの高い病気だということを忘れてはいけません。
症状が続くようでしたら、早めに受診することをお勧めします。

うつが脳にダメージを与える

nou
うつ病は、やる気がでない、憂鬱気分が続く、落ち着かないなど性格的に問題がある病気だと思われがちですが、実は脳の神経伝達物質の不足によって起こることが明らかになっています。
そして、その後の研究で神経伝達物質の不足状態が続くと、脳の神経細胞そのものにダメージを与え、うつ症状が現れるという説が有力になりつつあります。
これはあくまでも仮説の一つであり、うつ病がどのようなメカニズムで発症するかは、まだ完全には解明されていません。

また、うつ病を患っていると、アルツハイマーのリスクが高くなることも分かってきました。
高齢者のうつ病患者は、そのままアルツハイマーに移行することさえあります。
アルツハイマーも脳の病気であることを考えると、うつ病が脳に何らかの病変をもたらして、その後遺症がアルツハイマーの発症に影響していると考えられています。

うつ病は早期に治療すれば早い回復も見込まれますが、放置している期間が長ければ長いほど、回復にも時間がかかり、後遺症が残るリスクも高くなります。
アルツハイマーのリスクも考えると、早期治療が望ましいと言えるでしょう。

うつ病は進行性の病気と思う

うつ病の症状は多岐にわたります。
初期の段階であれば、無理をすれば日常生活を送れる程度の症状ですが、重症化すると最悪の場合、自殺に至ってしまうこともあります。
とにかく命だけは何とかして守らなくてはいけません。
自殺を考え出すようになると、本人にはその気持ちを断ち切る能力がなくなってきます。
ですから、周りの人が気をつけて、最悪の状態にならないよう支援しなければならないのです。

うつ病は病気です。

けっして、性格的なものでもありませんし、我慢すればいつかは治るというわけではありません。
初期の段階ではうつ病が死に結びつくとは想像しないと思いますが、放っておくと重症化する進行性のある病気であることを理解してください。
どんな病気でもそうですが、初期の段階で適切な治療を行えば、早い回復が見込めます。

しかし、重症化すると回復にも時間がかかりますし、後遺症が残る可能性も否定できません。
軽く考えずに、症状が続くようであれば早めに受診することをおすすめします。